元気の源になり、なんにでも使える食品「生姜」。香辛料として世界中の料理に使用され、高い薬効性をもつ漢方薬としても知られる生姜を肩こり解消に役立てていきましょう。
原因は最近まで解明されていませんでした
生姜を使って食欲増進する料理はたくさんありますし、生姜の持つ体を温めてくれる作用を期待して風邪の引き始めにはしょうが湯を飲むことがあります。
なぜか、効く。実際、温まるし、食欲が湧いてごはんがすすむ。
しかし、最近まで科学的根拠はなかったのです。科学的根拠なしでも信頼度の高い生姜。薬味の語源と言われ、漢方の世界では、ショウガなくして漢方は成り立たないとまでされています。
なぜ、最近まで科学的に調べることをしなかったのか?
生姜ほど、使い勝手がよく、年中市場に出回るので手に入りやすい食材はそう多くはありません。
科学的に調べるという事は、その後、有効成分を抽出して人工的に生成し、サプリメントや薬剤として商品化を目指すという事です。
しかし、わざわざサプリメントや薬剤で生姜の有効成分を摂らなくても、おいしく、簡単に生姜の恩恵を受けることが出来るので研究が遅れたのではないでしょうか。
生姜の薬効成分について
生姜には、ジンゲロールとそれが変化したショウガオールという薬効成分が科学的に判明しました。
ジンゲロールには優れた抗酸化作用があり、それは、ビタミンEを上回るとされ、生活習慣病の改善・予防に効果を発揮します。
そして、血行改善・促進をして発汗する作用があります。解熱効果や、冷え性の改善、高血圧の予防に効果を発揮します。この薬効を期待し温シップなどに用いられています。さらに、血中コレステロールを下げる作用もあります。
血行改善による、高血圧の予防、コレステロールを下げるという薬効が肩こりに効くわけです。
ショウガオールはジンゲロールが熱により変化したものです。
身体の隅々まで血液を行き渡らせ、身体を温めます。なぜなら、血管の収縮や血小板の粘着性に深く関係しているプロスタグランジンの働きを適度に弱めてくれるからです。
上手に生姜を摂る
使い勝手のよい生姜です。生でよし、温めてよし、刻んでも、すりおろしても、そのままでも、自由自在です。しかし、せっかく科学的に生姜を調べて、ジンゲロールとショウガオールという薬効成分が判ったのですから、もっと効率的に無駄なく身体に摂りいれていきましょう。
ジンゲロールは生の生姜が最も多く含んでいます。さらに、皮の近くが配分として最も多い。生姜の皮も無駄にせず調理しましょう。
しかし、気を付けなければならないことがあります。ジンゲロールは揮発性物質ということです。空気に触れるとどんどん減っていきます。ショウガオールの量も加熱される前のジンゲロールに左右されるので、生の生姜を調理する場合は、なるべく使用する直前にしましょう。
生姜は生と、加熱したあとでは薬効や作用は大きく異なって来ます。しかし、使い勝手の良さと、病気に打ち勝つための「薬」であることに変わりはありません。健やかな身体作りのために積極的に摂取しましょう。