ここではつらい頭痛に悩む方へ頭痛解消に効果が認められる食材や栄養素、食事を紹介していきます。
頭痛の原因によって摂るべき食材が変わってきます。緊張性頭痛と片頭痛で違いますので、まずは片頭痛の解消に効果のある栄養素から紹介しましょう。
マグネシウムの効能
片頭痛はマグネシウムを摂ることで抑えることができます。また片頭痛の発作が起きている時はマグネシウム不足の状態であるともいえます。
片頭痛に効果があるとされている栄養素「マグネシウム(Mg)」は、カルシウム(Ca)や鉄(Fe)と同じく人体にとって必要不可欠なミネラルの一種です。
細胞に作用して糖質の代謝にかかわったり、体をリラックスさせる効果があったりします。また血管を弛緩させて拡張し(血管の収縮を抑える)、筋肉の痙攣、血小板の凝集を抑えたり、炎症を鎮めたり、他にもさまざまな働きをします。
またマグネシウムとカルシウムの関係は大変重要です。マグネシウムはカルシウムが有効に働く為に不可欠なミネラルであり、この両者の関係で細胞が不要なものを排出し、必要な栄養成分を吸収したり、緊張と弛緩のバランスを保って正常な血圧を維持したり、筋肉や血管の痙攣を抑えたりします。
マグネシウムが不足すると、カルシウムがうまく働かず軟組織に蓄積し、めまい、ストレスがたまる、疲れやすい(慢性疲労症候群)、足がつる、血管が痙攣しやすくなり痛みに敏感になる、心臓病、糖尿病、喘息、脳の代謝機能異常により片頭痛発作を招きやすくなるといった症状が起こります。
マグネシウム:適切な摂取量
片頭痛に効果のあるマグネシウムには、適切な摂取量があります。
マグネシウムは容易に体内に吸収できないため、注射のほうがより効果的でありますが、厚生労働省の指針によりますと、健康な生活を送るために通常の食品以外にあたるサプリメントやマグネシウム含有製剤の場合、1日の耐用上限量が350mg程度と設定されていますので一日に300mg摂取するよう心がけましょう。
ただし、注意していただきたいのは、空腹時にマグネシウム(通常の食品以外)を経口摂取すると下痢を招くことがあります。また、腎機能が正常でない場合(腎不全患者)には「高マグネシウム血症」を引き起こす危険もありマグネシウムの多量摂取は原則禁忌です。
「高マグネシウム血症」は、筋力の低下や脱力感、嘔吐などが見られ、最悪の場合には心臓発作で血圧低下を招き死亡する危険性がある病気で、腎機能が正常であればかからないとされている。
というわけで必ず摂取量は守って下さい。
カルシウム2:マグネシウム1
マグネシウム療法は片頭痛に有効であるとされていて、 400mgのマグネシウムを毎日摂取すれば3~4週間後に片頭痛の頻度が減るという報告があります。先にも紹介したようにマグネシウムとカルシウムの関係は人体の健康に大変重要で、バランス良く摂取することが大事です。
理想のバランスは「カルシウム2:マグネシウム1」なのです。
ところが、カルシウムはマグネシウムよりも吸収率が低い(食品の中で最もカルシウムの吸収率が高いとされている牛乳でも、およそ4割程度しか血中に吸収されない)ので、サプリメント等を上手に併用してマグネシウムとカルシウムを摂取してください。
ただし、カルシウムもマグネシウムと同様過剰摂取をすると高カルシウム血症になりますので気を付けてください。
マグネシウムが多く含有する食材
マグネシウムは、魚介類、オオムギ、ホウレン草、玄米や、豆類、豆腐・納豆などの大豆加工食品、他にはヒジキなどの海藻類に多く含まれています。
これらの食材を使った食事として例えば『豆腐ひじき雑穀ごはん丼』などいかがでしょうか?
ビタミンE
緊張性頭痛の場合は主に肩のコリが原因であるため、血行不全を改善する必要があります。そのために摂取していただきたい栄養素はビタミンEです。
ビタミンEは、末梢の血管を拡張し、血液の流れをよくして脳の酸欠不足を改善します。また、体内で作られた活性酸素を中和して血管の酸化を抑え老化の原因を取り除く(抗酸化作用)という特長があります。
ビタミンEを多く含む食品・食材
ビタミンEは、アーモンドなどのナッツ類や、植物油、豆類、魚、かぼちゃ、大豆、シジミ、ヒマワリの種、アボガド、タラコ、マヨネーズなどに多く含まれています。
ビタミンEが多く含まれているこのような食材を使って例えば『かぼちゃと大豆の温サラダ』などを料理し召し上がってみてはいかがでしょうか?
尚、食品100gあたりに含まれるマグネシウム含有量やビタミンE含有量については、『文部科学省・日本食品標準成分表2010』に詳しく紹介されていますので、良かったら参照してみてください。