カプセルや錠剤がある現代に、どうして飲みにくくて苦い粉薬がいまだに存在してるの!?
ですよね。しかし、カプセルや錠剤が容易に作製できるようになった今日でも、粉薬が存在している理由はちゃんとあります。
ここでは、頭痛薬のなかでも粉剤・顆粒薬について紹介していきましょう。
どのように効かせるか、それが薬の分かれ道
薬とは薬効成分が配合されたものです。薬効成分が、いつ・どこで・どれくらい効くようにするかで、薬の製法は変わります。
錠剤、カプセル剤は薬効成分を効かせる時間と場所をある程度コントロールすることが出来ます。それは、吸収させるのは胃か、腸か。持続時間を長めにするのか、数回の服用を必要とするのかなどです。
粉薬をいろいろアレンジ
錠剤、カプセル剤両者とも元をたどれば粉剤(散剤)です。たとえば1錠中10㎎の薬効成分配合量である錠剤の場合、すべてが薬効成分というわけではありません。
薬効成分(散剤)と固めるための特別な物質(賦形剤)を混ぜて体積を適切な大きさにしています。また、いくつかの層に分けて薬効成分を固めているもの、散剤をそのまま固めているものがあります。
さまざまな形状の粉薬
粉薬は厳密なルールに基づいて、散剤、細粒剤、顆粒剤と分類されています。粒の大きさは散剤<細粒剤<顆粒剤という順です。
散剤とはパウダー状の粉薬です。散剤の欠点である飛散しやすい、飲みにくいなどを補うため、粒状にすることで飛散を抑え、飲みやすくしたのが細粒剤、顆粒剤なのです。
また、顆粒は粒子の大きさを変える、1つずつの粒を薄い膜(剤皮)で覆って体内で溶ける時間を調節する、効果が長く続くように加工する、などが可能です。
胃で吸収させる頭痛薬は粉薬
粉薬は口から服用して胃に到達した時、殆ど溶けている状態になっていて、すぐに作用しやすくなっていることから、胃薬で使用されやすい薬です。
今日では錠剤やカプセル剤などの腸で溶けて薬効成分を吸収させる持続的吸収性が主流の頭痛薬は、ひと昔前まで胃で吸収させる顆粒剤に加工した頭痛薬が多数を占めていました。それが現在でも残っていると思われます。
粉薬のメリットはなんといっても吸収の早さにあるでしょう。効き始めるのは錠剤やカプセル剤と比べて早い場合が多くなり、早く効く順に、液体>顆粒>>錠剤・カプセルとなります。
ですが、錠剤でも粉でも、身体に吸収される成分量が同じなら、効き目は基本的に同じです。
細粒剤・顆粒剤は噛み砕かずに飲んでください。粉薬は直射日光や湿気に弱いので、風通しのよい陽の当たらないところに、乾燥剤を入れた缶や密封容器に入れて保管しましょう。
同じ薬であっても錠剤と細粒剤・顆粒剤と分かれているのは、薬効成分をどう効かせるかで変わってくるのです。
効き目の早さに多少の分がある細粒剤・顆粒剤であっても、最終的な薬の効き目は変わらないので、頭痛の程度で使い分けしてみてはいかかでしょうか。