ここでは、頭痛解消に効果のあるとされる漢方について紹介していきましょう。
漢方薬とは
漢方は2千年以上も前に中国で生まれ独自の発展を遂げた医学です。身体全体の調子を整え病気を治していくという治療方針であるので、頭痛を抑えるというよりも、頭痛を起こさない身体に体質を変えていくというわけです。
漢方薬は日本独自に発展した漢方医学の薬で、保険適応の方剤が約150種類あり、飲み方によって、煎じ薬(液体、ドリンク剤)、エキス顆粒剤、錠剤に分けられていますが、効果の違いはあまりないようです。
あえて違いを挙げるのであれば、煎じ薬には「気剤」と呼ばれる「香り」の成分が残っていることです。それが他の服用の仕方より薬効果を上げるのではないかとされています。
さらに、液体の漢方薬は、手元に水がない、でも薬を飲みたいという人にはおススメですが、薬効がすぐにあらわれるわけでもなく、2,3日は続けて服用する必要があります。その場合、液剤は1日分しか入っていない点に注意し購入してください。
漢方薬は空腹時に服用するのが最も効果があるとされていますが、これも違いはあまりないと言われています。
また、副作用が全くないわけではないので、専門の方に処方してもらうことをおススメします。
頭痛に効果のある漢方薬
頭痛薬には、患者自身が使用可能で、頭痛薬の追加服用が必要でないこと、副作用がないことが求められます。漢方薬は先に紹介したような目的・効果があるので頭痛薬に適した薬なのです。
それでは頭痛に効果のある漢方薬の一例を紹介しましょう。
- 柴胡桂枝湯
- 太陽病、肩や首筋がこる、口が苦く粘る、胸脇苦満(胸や腹が苦しい圧迫を感じる)がある、長引く風邪による頭痛に多く処方される。
- 大柴胡湯
- 高血圧にともなう頭痛に多く処方される。
片頭痛に効果のある漢方薬
ここからは頭痛の中でも特に片頭痛にも効果のあるとされる漢方薬の一例を紹介します。
- 葛根湯
- 発熱・悪寒・肩こりを伴う頭痛に処方される。風邪薬としても有名な漢方薬で、ドラッグストアで簡単に入手できる。液体・顆粒・錠剤とあるが効果に違いはない。
- 桂枝人参湯
- 疲れやすい、冷え症である、胃腸が弱い、下痢をしやすい、体力のない人の頭痛に処方される。
- 加味逍遙散
- 月経異常がある、発作性ののぼせがある、神経症を伴う頭痛に処方される。
- 釣藤散
- 血圧が高めである、痛みで目が覚める、睡眠から覚めて痛みが続くような頭痛に処方される。
- 呉茱萸湯
- 胃腸が弱い、冷え症である、倦怠感がある、嘔吐を伴う激しい頭痛に処方される。
- 桂枝人参湯
- 疲れやすい、冷え症である、胃腸が弱い、下痢をしやすい人の頭痛に処方される。
- 半夏白朮天麻湯
- 足が冷える、「めまい」「頭重感」を伴う様な頭痛に処方される。
- 五苓散
- 口が渇く、尿量が少ない、「めまい」「腹痛」をともなう頭痛に処方される。
- 婦宝当帰膠
- 血行不良によるもの、貧血やホルモン異常などの原因、更年期障害による頭痛に処方される。
以上は一例にすぎませんが、漢方医とよく相談して処方してもらい、薬は用法・容量を守って飲み合わせにも気を付けて服用してください。