ここでは頭痛解消の方法として注射を打って解消することを紹介していきましょう。
緊張性頭痛を解消するために行われる治療法の一つとして、トリガーポイント注射というものがあります。
トリガーポイントとは肩や首のコリと痛みの中心部分のことで、脳に痛みの信号を送っているとされています。
このトリガーポイントが厄介なのは、脳に痛みの信号を送り続けることで、脳が、実際には痛くない部位も「痛い」と判断してしまうことです。そうなると、痛みやコリの部位をもんだり温めたりしても、効果がまったくないコリとなるわけです。
そのようなトリガーポイントに、血管注射に比べて細い注射針を使用し麻酔を注入することがトリガーポイント注射(ブロック)という治療方法です。
このトリガーポイント注射は次の効果が期待できます。
①注射した局所麻酔薬により脳への痛みの信号を遮断し、痛みそのものをとる。
②痛みによっておこる局所の交感神経の興奮を鎮めて、血行改善を図る。
③トリガーポイントの血行が改善し血流が増えることで、局所にたまる痛みを増強し筋肉を緊張させる物質を洗い流す。
以上の効果が期待できるので、慢性的な肩、肩甲骨部のこりと痛み、首の痛み、頭痛、眼の奥の痛みなどの痛みに対して非常に有効な注射と言えるのです。
ペインクリニック(麻酔科)で受診すればトリガーポイントを発見し、トリガーポイント注射を施術してくれます。保険適用されるので医療費用も安価であることが利点です。
もし、ひどい頭痛に悩まされている場合はトリガーポイント注射を選択肢のひとつとして考えてみてもいいのではないでしょうか。
ただ、注意していただきたいのは、トリガーポイント注射の手技は難しく、医師でもある程度の訓練が必要であり、副作用や合併症の恐れから誰もが施行できる手技ではありません。針が細いので少ないとはいえ、痛み・苦痛を伴います。また体調上、もしくは体質上注射できない場合があります。
そこで、注射と比べて技術が要らず患者にとっても安全であることから、最近増えつつあるのが、近赤外線治療スーパーライザー(スーパーライザー神経ブロック照射法)です。これは先に紹介したトリガーポイントに麻酔薬を注射していたのを、近赤外線を使った光線治療器のレーザー照射で可能にした治療法です。
スーパーライザーはレーザー、注射に比べて広範で体の奥まで届き、鎮痛、消炎、自然治癒力を高める効果があります。
スーパーライザーを使った治療法で頭痛解消に効果のあるとされる星状神経節照射法と呼ばれる治療法があります。
星状神経節は、首の第七頚椎(けいつい)の横突起の両隣りにあり、上半身の臓器や器官を支配する「交感神経」が集中しています。そこに近赤外線を照射し神経異常による痛みを和らげます。
照射部から体の奥まで近赤外線が届いて血行を改善するので、視床下部をはじめとした脳の血流がよくなり自律神経異常による頭痛にも効果があるとされています。
難点はスーパーライザーを使用した医療費には医院によって差があることです。もしスーパーライザーを使用した施術を受けたい場合は事前に確認をするとよいでしょう。