今から紹介する方法は、ストレッチ運動や生活・姿勢の改善等の解消法を行っても効果がなかった場合のための荒療治です。
それは、緊張して固まってしまった筋肉に薬剤を注入して、症状を改善するというものです。
ここでは病院で行われる、肩こりを根本から解消する方法として、トリガーポイントブロック注射など肩こりに効く注射についてご紹介しましょう。
トリガーポイントブロック注射については『注射をうつ』でも紹介していますので、そちらも参照して頂ければと思います。
まずはトリガーポイントブロック注射で様子を見る
肩こりがひどい場合に行う注射である神経ブロック注射はいくつか種類があります。肩こりを解消するために注射する場合は、まずトリガーポイントブロック注射を行います。
トリガーポイントブロック注射というのは、神経ブロック注射、というよりも普通の麻酔注射に近いのですが、神経ブロック注射の一種と言ってしまっても問題はないでしょう。
この注射は、トリガーポイントと呼ばれる筋肉などにある痛みのポイントに対して、局所麻酔薬を筋肉か皮下に少量ずつ注入する方法です。
ただし、この注射の欠点としては、トリガーポイントを正確に捉えることができないと、あまり効果を得ることができない、という点にあります。さすがに一回では効きませんので、週に1回程度の注射を数回行う必要があります。
両刃の剣、星状神経節ブロック注射
大半の方はこのトリガーポイントブロック注射で肩こりが治ります。ただ、それでも改善しない場合には、ブロック注射のひとつ、星状神経節ブロック注射というものが行われます。
これは、痛みの原因となっている神経線維の末梢神経や交感神経節などに対して、局所麻酔薬を浸透させます。そうすることで、神経そのものの機能を麻痺させて、痛みを抑えるというもので、即効性があり効果は絶大です。
最初から星状神経節ブロック注射を選択した方が面倒でないかもしれませんが、トリガーポイントブロック注射に比べて、手技の難易度が高く、神経を傷つける可能性があるので、ほとんど最終手段として行わないで済むのであれば行わない方がいい治療法です。
ちなみに、肩こりに有効な他の神経ブロック注射は、頸部硬膜外ブロックや頸神経ブロックなどがありますが、実際に肩こりの治療としてこれらが行われることはほとんどありません。
以上のようなブロック注射は効果が絶大であっても手技は難しく、医師でもある程度の訓練が必要であり、副作用や合併症の恐れから誰もが施行できる手技ではありません。針が細いので少ないとはいえ、痛み・苦痛を伴います。
また体調上、もしくは体質上注射できない場合があるので、肩こりを解消する最終手段として考えてください。