病院で肩こりを治療する利点はどこにあるでしょうか?運動ならわざわざ通院する必要もないかもしれません。やはり、精密な検査と膨大な症例の中から医師が症状に合った薬を処方してくれる点にあるのではないでしょうか。
ここでは病院で行われる肩こり治療のうち薬物療法について紹介していきましょう。
薬物療法と銘打つぐらいですので、薬を服用して肩こりを治す方法についてです。ドラッグストア等で市販されている湿布などの貼り薬や塗り薬での治療も厳密には薬物療法に含まれますが、今回はあくまでも病院で医師が処方する薬に限定してしまいます。
また、湿布については「湿布の効能」ページでも紹介しているので、そちらも読んでみてください。
いろいろある肩こりの処方薬
病院で薬物療法に用いるため処方される薬は、筋弛緩薬やステロイド薬、抗うつ薬、漢方薬(葛根湯・小柴胡湯など)、頭痛を伴う場合には鎮痛薬などがあります。
耳馴染みな薬であるけれども、肩こりに有効であると知らなかった、ということはありませんか?代表的な処方薬を簡単に紹介しましょう。
- 筋弛緩薬
- 筋肉の緊張を解消します。肩こりの薬物療法に使用されるのではないかというイメージが容易に出来ると思います。一例を挙げます。
- ミオナール:筋弛緩薬。おだやかな効き目。副作用も比較的少ない。肩こり(緊張型)頭痛にも処方される。
- 筋肉の緊張を解消します。肩こりの薬物療法に使用されるのではないかというイメージが容易に出来ると思います。一例を挙げます。
- ステロイド
- ステロイド薬は耳にしたことがあっても、最近ではあまりよろしくない強すぎる薬のイメージがあるのではないでしょうか。
- ステロイドは、体内の副腎という場所で作られる副腎皮質ホルモンで、糖質(グルコ)コルチコイドという強力な「抗炎症作用」と「免疫抑制作用」を持つ物質が成分となっています。
- この糖質コルチコイドの効果を強くし人工的に生成したものが一般に使用されているステロイドです。
- ステロイド薬の効能は、即効性があり炎症を抑えて痛みを和らげることができますので肩こりにも処方されることが多いのです。
- ステロイドを使い続けると本来持っている副腎皮質機能が弱まりステロイドの使用を中止しても回復しない可能性もあることから、ステロイドの使用には注意が必要です。しかし、効果は絶大ですのできちんと用法用量を守ってしようしましょう。
- 抗うつ剤、抗不安剤、抗ストレス剤
- 肩こりは心身的ストレスによって発症しやすいものです。そのため、肩こりの根本原因を治すために、心身的なストレスを取り除く抗うつ剤などが処方される場合もあります。処方される薬の一例を挙げておきましょう。
- トリプタノール:抗ストレス作用があり、憂うつな気分をやわらげ、意欲を高める。作用が強く、よい効果が期待できる。ただし、副作用が出やすい。片頭痛や群発頭痛にも処方される。
- メイラックス:抗不安薬。不安や緊張感をやわらげ、気持ちを落ち着かせる。安全性が高く、耐性や依存も少ない。作用がやや強く、作用時間も長い。
- レンドルミン:睡眠改善薬。不安や緊張感をほぐし気分をリラックスさせて、自然に近い眠りに誘います。比較的安全性が高く、効き目もよい持続時間が短時間型です。寝つきの悪いときや一時的な不眠に適します。
- デパス:筋弛緩作用を持った抗不安薬。気分をリラックスさせ、不安や緊張感をやわらげたり、寝つきをよくする。筋肉のこわばりや、つっぱりをほぐす作用がある。作用が強い。
- 肩こりは心身的ストレスによって発症しやすいものです。そのため、肩こりの根本原因を治すために、心身的なストレスを取り除く抗うつ剤などが処方される場合もあります。処方される薬の一例を挙げておきましょう。
他には、肩こりの炎症部分を鎮め腫れや痛みなどの症状を抑えるために、抗炎症薬で頭痛薬としても使用されるロキソニン(非ステロイド抗炎症薬、NSAID)が処方されます。
飲み薬の効き目は絶大な時もあれば、まったく効果が現れない時もあります。ですから、医師が個々の症状に合わせて薬を処方しても、薬には副作用がありますので、必ず用法用量を守って薬の飲み合わせに注意し使用してください。