欧米人には肩こりがないという話、聞いたことありますか?
日本人と同じ人間で、骨格・体のつくりも同じなのになぜでしょう。理由のひとつが「筋力の差」です。「筋力の差」が原因であれば、女性の方が男性より肩こりに悩む人が多いという事実にも納得できます。
では、激しいスポーツを行えば肩こりの根本解消に有効なのでしょうか?
ここでは肩こりを根本から解消するために運動療法を取り入れることについて紹介していきましょう。
運動療法の目的
慢性的な肩こりに悩まされる人は、頭ではわかっていても、なかなか体を動かすきっかけをつかめないことが多いでしょう。しかし、体を動かして筋肉の緊張をこまめにほぐしていかないと、症状はますます悪化していきます。
ですから、運動療法を行い、緊張し固まった筋肉を収縮・弛緩させることでポンプ効果を高め、血行を促進させて肩こりの症状を和らげ、血流を増やして溜まった老廃物を洗い流し筋肉疲労を解消しましょう。
運動療法の種類
運動療法とは、体を動かすことで体の機能回復を目指す治療法のことです。
体操やストレッチなどの簡単な運動を行う方法であるとか、専用の器具などを使って筋肉に負荷を加えながら行う方法があるように、運動療法には、自動運動や他動運動、抵抗運動(自動抵抗運動)といった種類があり、筋力と症状の度合いから治療法が選ばれます。
- 自動運動
- 障害が発症している、筋力が落ちているというような問題のある部位を自力で動かす運動です。分かりやすいのではヨガや太極拳などのように自らが体操などを行って体を動かすことで治療していく自由自動運動、自ら動くが筋力不足や麻痺などで十分に動かせないときに補助をしてもらいながら行う自動介助運動があります。
- 他動運動
- 自動運動と対になる運動で、整体やカイロプラクティックなどの徒手他動運動、器具を使って行う他動運動、自由に動かせる自分の身体の部位を使って不自由な部位を動かす自己他動運動など他人や補助器具の力によって体を動かして、運動効果や矯正を行っていく方法です。
- 抵抗運動(自動抵抗運動)
- 自身の体重や徒手による抵抗を与え行う運動、他人に負荷をかけてもらい行う徒手自動抵抗運動、器具を用いた抵抗運動などがあり、通常の自動運動より運動量を増やし筋肉の回復と増強を図る方法です。
シンプルな運動を毎日こまめに行う
運動療法(自動運動)において体を動かすといっても特別な運動を行う必要はありません。シンプルな体操を1日に数回行い、それを毎日続けることが肩こり解消に繋がるのです。週1~2回スポーツジムで集中的に運動することより効果があるとされています。
具体的な運動方法は病院のリハビリ施設などにいる理学療法士が指導してくれます。ここでは運動療法を行うときに注意するポイントを挙げておきます。
- 運動療法の始めは無理をせず、徐々に出来る範囲を広げましょう
- 毎日の習慣にしましょう
- 食事の直前直後、入浴の直前直後の時間帯は避けましょう
- コリの痛みが強くなったとき、手足にしびれが出た時、めまいや胸部の痛みがあらわれたときは中止し、休息をしましょう
- 好きな音楽に合わせて行うなど、「楽しい」気持ちで行いましょう
- スポーツを行う場合はやり慣れた競技をして、怪我の防止のためストレッチ運動などを欠かさず行いましょう
運動療法はどのような方法にせよ、筋肉を動かすことが目的です。筋肉は使うと強くなるように出来ています。筋肉量の多い男性に比べて女性のほうが肩こりに悩まされます。同じ運動を行っても男性・女性ホルモン等の原因から筋力の上がり方に差は出ます。
しかし、肩こりの根本解消にはシンプルな体操をこまめに毎日行うことが大事です。少しずつ筋力を上げ、さらに「楽しく」運動して体をより活性化させ、肩こりを根本から解消しましょう。