ここでは肩こりと高血圧の関係について紹介していきましょう。
高血圧になったことの信号として肩がこるケースがあります。逆に、肩こりが原因で高血圧になってしまうこともあります。肩こりを感じたら高血圧の可能性がありますので一度調べてみることをお奨めします。
先に述べたような肩こりと高血圧の関係がなぜ成り立つのか?それに答えるには高血圧とはなにかを紹介しなければならないでしょう。
血圧を決定するには、心臓から送り出される血液の量である「心拍出量」と、血管の収縮などによって生じる血液の流れにくさを表す「末梢血管抵抗」で、血圧はほぼ決定されます。
高血圧とは、血圧の最大値と最小値の両方もしくはどちらか一方が正常値より高い状態のことを言います。具体的な数値としては、最大値が140mmHg 、最小血圧が90mmHgを超える場合が高血圧症となっています。当然、数字がすべてではありませんが。
血圧は体調や日常の行動、心理的な要素、気温などで上がったり下がったりします。たとえば、交感神経のはたらきが活発になると、心拍出量と末梢血管が増加するため、血圧は上昇します。上昇した血圧は、自律神経のはたらきなどで、自然に正常な血圧に戻りますが、血圧を上昇させる行動をとり続けた場合は高血圧をまねきます。
さらに高血圧で最大の問題点と言えば、初期症状の発見がしづらい点です。自覚症状が全くない例もあります。
たとえば、一般に高血圧の症状として現れるものには肩こりをはじめ、頭痛や目眩、耳鳴り、動悸息切れや手足のむくみ、疲れ目や霞目などがあるのですが、これらを感じたときあなたはどう考えますか?
最近仕事が忙しいからな―――
ちょっと風邪気味なのかな―――
もう年も年だしな―――
という風に、最初から高血圧を疑う方などまずいないのではないでしょうか。なぜなら先に挙げた症状は高血圧に限って引き起こされるわけではないからです。
このような高血圧症になっているにもかかわらず自覚症状がないために治療しないで放置する人が多いのです。しかし高血圧はひそかに血管を蝕み続けるので長時間放置していると、血管が硬くなる動脈硬化、狭心症や心筋梗塞、また脳卒中などの発作を起こす恐れがあり、つまり命にかかわってくるので「サイレント・キラー」などとも呼ばれています。
―――と、長々と高血圧について紹介させていただきました。
「肩こり」というのは、肩の周辺の筋肉がガチガチに固まって、血流が悪くなっている状態です。つまり、肩でつまりが起こってきているのです。
ということは、このまま放っておくと、肩から上は、血液が流れていきません。
それでは、首や頭、目や脳などの細胞は死んでしまいます。だから、少しでも肩より上に血液を送ろうと、心臓が一所懸命動くようになります。もちろん、今まで以上に心臓が動くわけですから、血圧もドンドン上がってくるということなのです。
血圧のコントロールがうまくできていないということや他さまざまな原因で血液や血液中の酸素が不足してしまい、酸素が不足して血液が身体全体にうまく回らないことも肩こりの原因となりますが、高血圧によって血流障害が起こっているので、身体が頑張ろうとして熱を持ち肩にも熱が溜まり、肩こりが発生するとも考えられています。
ただ、ここまで読んでいただいたのに申し訳ないのですが、肩こりと高血圧の因果関係は今現在あるとは言い切れない状態です。高血圧による自律神経と肩こりには何らかの関係があるらしいのですが、まだ解明はされていないのだそうです。