ここでは肩こりが腰に影響を与えるということについて紹介していきます。
腰痛が肩こりと何か関係あるのでしょうか。一見すると肩と腰では部位も離れているし、腰痛の原因は別ではないかと思えます。しかし肩こりと腰痛は密接につながっているのです。
肩こりと脊椎には密接な関係があります。また脊椎は骨盤とも密接な関係で結ばれているのです。
たとえば仙腸関節です。仙腸関節は骨盤を構成する寛骨と仙骨と尾骨のうち、寛骨内の腸骨と骨盤の真ん中にある仙骨が連結している部分を指します。また、個人差はありますが複数の靭帯で補強されており極めて可動域の少ない不動関節です(男性が1mm、女性が2~5mmと言われている)。腸骨とそれに繋がる靭帯に阻まれているため仙腸関節を直接触ることは出来ません。
仙腸関節は脊椎・脊柱と骨盤・下肢との連結点として体の重みを支える重要な役割を担っているので、骨盤に感じる痛み(立ち続けていると増す痛み、身体を後ろに反らせると強くなる痛み、運動時痛、寝ているとき以外痛みを感じるなど)の多くは、この仙腸関節の異常に関係があります。
脊椎に影響が出てくると、この骨盤にある仙腸関節にも影響が出てきますし、逆に、仙腸関節に異常が出た場合は脊椎にも影響が出てくるのです。だからこそ、肩こりがひどい方というのは、肩・首だけではなく腰にまで影響が出てくることになるのです。
そして、仙腸関節は首や肩からは離れたところにありますが、首・肩に与える影響というのは非常に大きいので気を付けていただきたいところです。
肩こりと腰痛は多くの面で共通の原因を持っています。たとえば腰の異常は、肩こりと同様に精神的な原因で悪化するという場合があります。
肩こりと同じく、どのようなことが原因で腰痛に悩まされているのか?という原因究明をすることは大変重要です。当然のことですが、いくらマッサージをしても、原因が違うところにあれば治るものも治りません(腰痛の場合、マッサージは逆効果の場合もあります)。
次に、腰痛にならないためにはどうすればよいのかを紹介していきましょう。
肩こり解消と同様の話になるのですが、少しでも腰痛にならないようにするためには、血行不良の改善、老廃物や乳酸が溜まりにくくする、筋肉の緊張を和らげる、骨格のバランスを整えることをしなければならないので、普段から正しい姿勢を心掛ける、バランスのとれた健康的な食生活を送る、そして無理のない適度な運動を行う―――など、ということを普段から実践しておくことが何よりも腰痛の予防になります。
腰痛と肩こりは繋がっているということは、腰痛を治したら肩こりも治った、ということもあり得ることです。そして当然肩こりを治すことで腰痛が治る、ということもあり得ます。