「止渇之梅」、「梅酸止渇」、「望梅止渇」、「梅林止渇」。
意味は関係ないのですが、梅の実を、あのすっぱい酸味を想像すると唾液が出ます。その酸味が肩こりに効くのです。
ここでは、肩こりに効果がある食材「梅」を紹介しましょう。
肩こりのおさらいから
肩や首筋の筋肉をこわばらせ、硬くする疲労物質。
そのひとつは俗に乳酸とも呼ばれ、筋肉中に溜まるとタンパク質と結びついて乳酸タンパクという厄介な物質に変化します。
この、乳酸タンパクを肩周辺の筋肉からサヨナラしてもらわなければなりません。
乳酸タンパクの分解を促し、患部から退去してもらうには、食生活にクエン酸を多く補給することが大切なのです。
そのクエン酸を多く含んでいるのが「梅」です。さらに「梅」には成分がパワーアップした梅肉エキスが存在します。
梅の代表的な効能
梅干しや梅肉エキスに含まれている、クエン酸とアミノ酸は血液に溜まった乳酸を代謝させ、疲労物質を残さないようにしてくれます。このことは広く知られているところですが、さらに、ACE酵素と呼ばれる血圧を上げる物質の働きを抑制する作用もあるのです。
梅干しは食べたことがあるけど梅肉エキスって??という人もいるでしょうから紹介します。
誰でもわかる梅肉エキス
梅の果汁を煮詰めて作る梅肉エキスにはムメフラームという有効成分が含まれています。梅の果汁に含まれるグルコースが加熱されることで、クエン酸と糖の一部が結合して生まれる成分であり、梅の実、梅干しでは摂取できない成分です。血栓を防ぐ、血流を改善する作用があります。
さらに、梅肉エキスに含まれるクエン酸はレモンの11.5倍です!!
しぼり汁を加熱するだけで成分がバージョンアップする梅はたいしたものです。
そして、梅肉エキスは塩分ゼロです。
これが、何を意味するのか?梅を食べようと思えばほとんどの場合、梅干しを選択するでしょう。しかし、梅干しには大量の塩分が含まれています。塩分を控えなければならない症状といえば、高血圧症。高血圧症がもたらすさまざまな病気のなかに肩こりが含まれているのです。
せっかく、肩こりを改善するために梅を紹介しているのに、梅干しを食べすぎて高血圧症になっては元も子もありません。塩分を控えなければならない人や塩分が気になる人には、塩分ゼロで成分がバージョンアップした梅肉エキスを食生活に取り入れましょう。
梅肉エキスを自分で作ってみよう
梅肉エキスは市販や通販等で簡単に手に入ります。自分自身で作ることだって出来るのです。作り方は簡単です。
- 青梅は丁寧に水で洗い、水気を充分にきっておきます。
- 次に、おろし器で青梅の果肉を皮付きのまますりおろします。種は除いてください(種には毒である微量のシアン化合物が含まれています)。
- 布に、すりおろした果肉を入れ、汁をしぼります。絞って果汁を作るとき、初めにガーゼ等目の粗い布で絞り、次にネル等の目の細かい布でこすと、きれいな果汁が出来ます。残った果肉は梅ジャム等でいただきましょう。
- 梅のしぼり汁を、鍋に移し、火にかけます。最初は弱めの中火、全体が温まってきたら弱火にして、加熱します。
- 黄色いアクが出るので、丁寧にすくいとります。時々、焦がさないよう木じゃくしで混ぜながら弱火でじっくり煮詰めていきます。
- 表面に光沢が生まれ、黒くトロリとして、木じゃくしでスジがひけるようになったら火を止め、冷まします。色が黒くならなくても、粘度があり、味見して強い酸味があれば(やや茶色でも)大丈夫です。梅の熟し加減、絞り方などが原因で微妙に違ってくるようです。
- あら熱がとれたら、保存容器に入れて完成です。常温で保存できます。保存期間に関しては短くはないのですができるだけ早めに使い切りましょう。
人間の体液は弱アルカリ性に保たれている状態が望ましいといわれています。しかし、現代の日本人は酸性になりがちで、それがさまざまな症状の原因となっているのです。
そこで、古くから日本人に慣れ親しまれてきたアルカリ食品である「梅」を見直して、健やかな身体づくりに役立てましょう。