肩こりで悩む人へ積極的に摂取してほしい栄養素であるビタミン。ここでは、そんなビタミンのなかでも若さや美容の栄養素とも呼ばれ、さまざまな効能を持つビタミンEについて紹介していきましょう。
ビタミンEの働き:活性酸素の除去
ビタミンEは強力な抗酸化作用を持っています。抗酸化作用とは、体内にある活性酸素と細胞より先んじて結びつき、活性酸素により細胞が酸化することを防ぐ作用ことです。
体内にある活性酸素の効力を抑えることで心筋梗塞、脳卒中、ガン、など生活習慣病を防ぎます。さらに、細胞の老化(酸化)を防ぐので、若さを保つ効能もあります。
抗酸化作用は活性酸素から不飽和脂肪酸を守り、赤血球の破壊、減少を防ぐことが出来ます。そうすると、貧血の予防になるのです。
活性酸素と結合したビタミンEはその抗酸化力を失っていますが、ビタミンCの働きによりふたたび抗酸化力を回復します。ビタミンCも一緒に取ることで、抗酸化力がより高まるとされています。
ビタミンEの働き:血行改善
血液の流れが悪くなると細胞に栄養や酸素が届きにくくなる、老廃物が滞るなどでコリの原因となります。ビタミンEは血液の流れを改善し血行不良による症状を緩和するビタミンです。その一例を紹介しましょう。
ビタミンEは悪玉コレステロール(LDL)の酸化を防止します。LDLが酸化すると血液の掃除役マクロファージ(白血球の一種)と一緒に血管壁に溜まって血管内腔を狭め、血液の流れを悪くしてしまいアテローム性動脈硬化の原因となります。
LDLの酸化を防止することで血管の機能を維持して血液の流れを良くする(サラサラ血液にする)のです。
ビタミンEが十分に摂取できていると、赤血球膜の表面が柔らかくなり、毛細血管を流れる時でもラグビーボールのような形に変形できる能力が維持されます。さらに、赤血球が活性酸素によって酸化され減少する、溶血性貧血と呼ばれる症状になることを防ぎます。
ビタミンEは自律神経の中枢でありホルモン分泌で重要な役割を担う視床下部の働きを活発化させます。そうすると、血管の収縮を促す神経伝達物質の生成が抑えられ、末梢の毛細血管の拡張がはかられます。
ビタミンEを摂りいれる
さまざまな働きをしてくれるビタミンE、一日に必要な量は成人女性で8mg(成人男性10mg)とされています。ビタミンEは食材による摂取が最も有効なので、ビタミンEを豊富に含む食材を使用した食事をしましょう。
ビタミンEが豊富に含まれている食材は、アーモンドやピーナッツ、ヒマワリの種などの種実類、ひまわり油や米ぬか油、大豆油などの植物油、他にはモロヘイヤ、うなぎ、かぼちゃ、大豆、小麦胚芽、などが上げられます。
ビタミンEと油はベストパートナー
以上のような食材と油を使った調理法で食事をしましょう。
脂溶性ビタミンであるビタミンEは油との相性が抜群です。油を使って料理すれば、体への吸収効率が上がります。ただし、古い油にはビタミンEを無能にしてしまう過酸化脂質が溜まっている場合が多いので、できるだけ新しい油を使って料理しましょう。
乳製品だってビタミンEとよいパートナー
ビタミンEと乳製品に含まれる乳脂質は両者ともに脂質なので結合しやすく、粒子が小さい乳脂質と結合することで、ビタミンEが体内へ吸収されやすくなります。
また、ビタミンEは熱や酸に強く、壊れにくいので、料理する上での制約が少ないので思う存分料理が楽しめます。しかし、食物摂取量の60~70%が排出さてしまうとされるビタミンEですから、毎日こまめに摂るようにしましょう。
ビタミン剤についても少しだけ
もし、ビタミンEが食事だけでは足りないと思う場合は、ビタミン剤で補給してもよいでしょう。
ビタミン剤を選ぶときには、配合されているビタミンEが天然であるか合成であるかを確認してください。
天然の場合、成分表などの表記は「d-(x)-トコフェロール(トコトリエノール)」です。合成の場合、成分表などの表記は「dl -(x)-トコフェロール(トコトリエノール)」です。
(x)にはα、β、γ、δが入ります。α>β>γ>δと活性の強さに差があると覚えておけばよいでしょう。
ビタミンEには、肩こりなどの血行不良による症状を緩和する、強力な抗酸化作用により、心筋梗塞や脳梗塞、がんといった生活習慣病の予防をする、肌のシミ・しわの予防、更年期障害を軽減するなどなど、多くの有益な効能があることがわかっていただけたと思います。
さらに、ビタミンEは脂溶性ビタミンでありながら、食物摂取量の60~70%が排出されるのでビタミン過剰摂取の心配も少ないことが特徴でしょう。
ビタミンEを上手に摂取して健やかな身体を手に入れましょう!!